第1回グランプリ
◆グランプリ
こがらしに吹かれ一如の一葉かな 利涼(福岡)
◆準グランプリ
親も子も共に決意の春となり 小穏(東京)
◆準グランプリ
春触れたくてちらちら降る雪はらうふり 向日葵(神奈川)
◆年間入選7句
寒風にしずみし村や鴨一羽 大雅(東京)
梅雨空や江戸に郡上の下駄の音 如樂女(東京)
こいのぼり見上げる子らの目を泳ぐ 大皓(鳥取)
蝸牛銀の恋文残し行く トンボ(高知)
リハビリの石段軽し初詣 こころ(奈良)
岩魚追う太公望は岩となり 緑河(東京)
春雨に凛と花咲く黄水仙 楽歩(千葉)
秀句3選(10月~9月)
10月
- みんみんと蝉と経読む石仏 露徒(東京)
- 交番をお縄にかけたる蔦かずら 文福(東京)
- 食いしん坊彼岸と聞けばおはぎだな 波三(東京)
11月
- こがらしに吹かれ一如の一葉かな 利涼(福岡)
- 栗蒸せば潜りし虫よ哀れなり 紅花(京都)
- 秋寒やけもの眼したる野良仔猫 文福(東京)
12月
- 夜具重しまなうら射らる鰤起し 那み(神奈川)
- 霧立つや山悉く島となる 露徒(東京)
- 木枯らしや洗たくものの中におり 大雅(東京)
1月
- 泥鰌なべ湯気も香りも江戸のまま 風水(東京)
- 触れたくてちらちら降る雪はらうふり 向日葵(神奈川)
- リハビリの石段軽し初詣 こころ(奈良)
2月
- 鹿威し四方に広がり冴え返る 那み(東京)
- 寒風にしずみし村や鴨一羽 大雅(東京)
- 春雨に凛と花咲く黄水仙 楽歩(千葉)
3月
- 親も子も共に決意の春となり 小穏(東京)
- 目隠しを取るや雛の笑み賜う 那み(神奈川)
- バレンタインもらえぬ息子に母笑顔 南風(埼玉)
4月
- 命がけ芽吹きの時は我も木も 利涼(福岡)
- 露天風呂湯気の向こうに山笑う 緑河(東京)
- 散り際を誰が諭すや名残り花 淡雪(東京)
5月
- 今変わる巡りの春は不易かな 利涼(福岡)
- こいのぼり見上げる子らの目を泳ぐ 大皓(鳥取)
- 蛍烏賊大鉢に盛る潔さ こころ(奈良)
6月
- 娑羅双樹繰り返したる世を眺め 利涼(福岡)
- 恋猫や顔の切り傷戦跡 如樂女(東京)
- 父といふ人もをとこや巴奈馬帽 那み(神奈川)
7月
- 梅雨空や江戸に郡上の下駄の音 如樂女(東京)
- りゅうきんのひらひら尾鰭熱帯夜 紅花(京都)
- 娼婦いま剃刀研ぎて五月闇 緑舟(大阪)
8月
- 蝸牛銀の恋文残し行く トンボ(高知)
- 岩魚追う太公望は岩となり 緑河(東京)
- 道化師と盲巫女(イタコ)が舐める心太 緑舟(大阪)
9月
- 夜業あけ夏もおわりかつくつくし 如樂女(東京)
- 編み笠に白きうなじの盆の舞 淡雪(東京)
- 塔婆持つ二人のをんなわらいゆき 緑舟(大阪)