第102回

句評     村野 太虚
春愁や軍港の街暮れんとす  露徒
  昔は戦艦もいた。駆逐艦もいた。帝国海軍がいた。あれから半世紀。さらに四半世紀。今は自衛艦、それに横文字の船。赤さびた軍港。ああ今日も街は暮れてゆく。

亀鳴く
  亀には発声がないから鳴かないが俳句の上の趣向。

亀鳴くや老人ホーム日の暮れて  大雅
亀鳴くや寺の貫主朝かえり  三郎
  怪しからぬ貫主も人間。亀はすこしだけ鳴く
亀鳴くや日蔭のハトも人目避け  空飛
亀鳴くや万年重ね倦怠す  秋水
  亀は万年。亀であることに飽きてきた?
亀なくや駅のベンチの忘れ傘  露徒
  忘れものですよ 親切な亀。
亀なくや似た人うすくなりゆけり  特許
  え?
亀鳴くや厨の妻の生返事  雅柳
  よくわかります
名句こい願う境内亀が鳴く  大福
  この欄にのりました。亀のおかげ
亀鳴くやもうすぐ何か終わるのか  文福
  大陸間弾道弾もとんだ。金将軍が躍り上がっている。世界がついに終わるのか。金将軍が終わるのか。

秀句三選

入選七句

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